2007年4月〜5月号 能登被災地からのレポート
中越大震災から2年半にして、ご近所でふたたび起こった大震災。能登被災地からのレポートです。

 二年半前の記憶も冷め入らぬ4月25日、すわ!余震の再来かと思われた能登半島地震が起こりました。
能登半島の被災地へ修復指導に行ってこられた建築士長谷川順一さんより現地レポートが届きました。
 能登の建物は「古い」「新しい」の区別なく、やられている。 それは400年もの間、地震らしい地震が起こっていなかった地域性、建築の考え方に備えがなかったかどうかが、容赦なく評価された結果である。 この長谷川さんの言葉に我々も身の引き締まる思いがしました。 震災前よりも強く、より快適に!というテーマで家づくりをしていながら、改めて能登という他所の被害状況を冷静に見せられると「もう一度家づくりの原点を見つめよ」と諭されているような気さえしてくるから、不思議です。 そこでもう一度確認します。 私たちの家づくりの基本ポリシーはこの3つ。

  ・伝統職人の知恵と技、
   最新技術を謙虚に学ぶ家づくり
  ・長い年月の中で、
   手入れがしやすいようにつくる家
  ・家族と生活の変化に柔軟に
   応えられる間取りの家




備えのある家とそうでない家、すばらしい漆塗りの造作の家も備えのあるつくりかどうかによって明暗を分けた。 デザインばかりでなく、構造と職人の手のかけ方がいかに大切であることを思い知らされる。